イギリスでは名作として語り継がれているらしいこの作品、一方日本では鑑賞が困難だから外れ覚悟でブルーレイを購入したのだけど、悪くはない作品で安心した。(少なくとも買った甲斐はあった)
冒頭とか言葉わからないと理解できないようなシーンもあったけれど(主人公の属するであろう組織についてもパッと見よく理解できなかった)、この時代の良質なサスペンスらしくヌーヴェルヴァーグ臭のするスタイリッシュかつ渋い演出はメルヴィルとコスタ=ガブラスを足したような具合で中々に好みだった。
遠距離からのドキュメンタリー映画的な撮影も味があり、そのように撮られた無骨なマイケル・ケインもイカしていて、キャリアベストの格好良さに思えた。(というか探偵スルースのときより若いはずなのにずっと大人びていて渋く見える)
最後のゴンドラの使い方も面白かったしラストもこの時代らしくて良かったのだけれども、映画自体とは関係ないある点において首を傾げてしまった。
あとR18要素の一つと考えられるテレクラ的描写、あそこは必要性があったのか謎だった。