昼寝

花ちりぬの昼寝のレビュー・感想・評価

花ちりぬ(1938年製作の映画)
3.7
言葉がわからなすぎてキツかったけど聞き取ることを諦めてからはかなり引き込まれた。
男性がただの一度もフレームに現れず、何度も呼ばれている「お客さん」の姿は全く見えないので、全体的にお茶屋のオフショット感があった。
禁門の変前夜の話なので画面外からはしきりに大砲の音が聞こえるが、それはどこか空爆の音にも似ていてリアルタイムの戦争も意識した作りなのかなと思う。1938年には国家総動員法も交付されているし。
撮影がかなり良くて、75分間ずっと室内劇なのに全然飽きなかった。似たような構図がほとんどなかった気がする。花井蘭子が階段を駆け上がると街の炎上が背景に見えるところとか流暢で美しい。
2人の遊女が花火しながらじゃれてる序盤のシーンが一番好き。

『天明怪捕者 梟』(1926)
主人公の兄弟の顔がカッコよくて良かった。梟の造形もバカバカしくて、こういう日本版ジュデックスみたいなやつもっと見たい。

『おせん』(1934)
現存する17分版。なんだかよくわからないが良かった。
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