｢親類は選べないが友は選べる｣
オーストラリアの8歳のメアリーと、NYの44歳マックスの実話を基にした、20年の文通と友情、人生のストーリー📮
アニメーションで実話映画って初めてかも。クレイアニメーションももちろん素晴らしいんだけど、1シーン1シーン感じる事が多く心が動かざるを得ないストーリーが本当に素晴らしかった。
アスペルガー症候群で過食症のマックス。
不健康な家庭で育ったアザのあるメアリー。
友達がいない、友達が欲しいという共通の想いを持った二人が、国を越え、文通で友情を育んでいく。
悩みを相談し、寂しさを吐露し、満ち足りない二人の人生を覗いているような気持ちになりながら、心が温かくなったり、気付かされたり、締め付けられたり、感情が揺れ動きすぎていい意味で忙しかった。
この作品の登場人物達は、二人以外にもマイノリティばかりで、アスペルガー症候群を少しでも理解するきっかけになったし、他にも気付きが多かった。
それ以上にマイノリティでもマジョリティでも、抱える孤独や寂しさは皆同じということも凄く感じた。
誰しもが誰かに必要とされたい、誰かと繋がっていたいと思っているということ。それが身近な人でなくてもいい。
明日も生き抜くために、明日の自分を好きでいるために、手を伸ばして、誰かと繋がろう。
人は一人では生きていけないし、自分も誰かの支えになれる、なってると思わせてくれる素晴らしい作品。
そして、正しい言い方が分からないのでストレートに言ってしまうと、出てくる人達の見た目がみんな可愛くない。可愛くないと口にしてもいいと思えるくらい、わざとそうしてるんじゃないかと思う。言ってしまえば差別的とも感じる容姿の表現。
このアニメーションの中に"完璧な人"は一人も出て来ない。みーんな何かを抱えてて、みーんな不完全。でも本来、現実でも人間なんて皆不完全で、完璧な人なんて一人もいない。
でもその見た目や中身の不完全さや、人と違う個性が、愛しくて、優しくて、おバカで、あったかいんだと私は感じた。不完全だから人を愛せるし、愛したいし、人を許せるし、許したい。
繰り返し観たくなる、心に響く作品でした。
おすすめ。赤の使い方が素敵！
