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エルム街の悪夢/ザ・ファイナルナイトメアのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1991年のアメリカの作品。

監督は「ハンナズ・ロー ダッジシティの決闘」のレイチェル・タラレイ。

あらすじ

フレディ(ロバート・イングランド「チューズ・オア・ダイ 恐怖のサバイバル・ゲーム」)が消滅してしばらく、更生施設でカウンセラーをしているマギー(リサ・ゼイン「フェロモン」)は、かつてフレディの悪夢に悩まされていた青年ジョン(ショーン・グリーンブラッド「ニュージーズ」)と出会う。彼からエルム街の悪夢の件やフレディのことを聞いたマギーはその話と自分の見る悪夢に共通点があることを見出し、ジョンや施設の子どもたちと共に町に向かうのだが…。

コツコツ毎週見続けていた「エルム街の悪夢」シリーズ、今回で遂に「シリーズ」的には最終作。

ただ、まぁ結論から早速言っちゃうと、え?最後こんなんでいいの!?という感じの出来だったw

お話はあらすじの通り、今回は舞台もスプリングフィールドというエルム街とはまた別の街で、前作までの生き残りであるアリスも全く出てこないし、劇中でも触れられないという、マジの仕切り直し。

まぁ、アリスのドリーム・マスターの能力マジで強かったからなぁ…。

で、今回の主人公は未成年が原因不明の自殺で全滅してしまったスプリングフィールドという街の唯一の生き残り、ジョンとフレディの襲撃によって彷徨っていたジョンの担当となったカウンセラーのマギー。そこにマギーの担当の子どもたち、ボンボンで京本大我みたいな顔してるスペンサー(リッキー・ディーン・ローガン「タイム・トゥ・ダイ/闇の処刑人」)、格闘女子トレイシー(レズリー・ディーン「パルプフィクション1/2(ハーフ)」)、補聴器をつけているカルロス(ブレッキン・メイヤー「ロボットチキン/スターウォーズ エピソード3」)といった面々も加わり、ジョンの悪夢にリンクするマギーの悪夢、そしてフレディとは何者だったのかを探るために件の土地スプリングフィールドに向かうという感じになっていく。

ということで今作では、割とフレディの過去に焦点が当てられていくんだけど、今までは修道女だったお母さんが刑務所に閉じ込められて、そこで強姦された挙句に身籠った末に生まれた子どもという設定しかなかったところに、かつて奥さんと子どもさんがいた!という衝撃の事実が発覚!!

いや、フレディでも結婚して家庭築けるんかよ…笑。まぁ、どうやら表向きはいいお父さんやってたみたいだけど、本性が明らかになった後に様変わりするの一瞬過ぎるだろw

他にも昔っから教室で飼っていたネズミを殺したり、お母さん亡き後、酒浸りのDV継父にボコられても「もっとやれ」と嗜虐的だったりと、やっぱ元々からやべー奴だったみたい!

その中で、また今回も夢殺人が行われていくんだけど、今までは回を追うごとに、スラッシャー要素が高い感じだったのに対して、今作はめちゃくちゃコメディ的!例えば、序盤から飛行機で寝落ちしたジョンがフレディの襲撃に遭うんだけど、バスに突っ込まれたと思ったら、フレディの運転するバスのフロントガラスにベッチャーと張り付いてそのまま吹っ飛ばされたと思ったら、そのまんま空間を突き破って、大の字の人の形にくり抜かれた、あのトゥーンアニメとかでよく見るやつ!!的なシーンがあったり、特にひどかったのは京本大我みたいな顔をしたスペンサーの殺しのシーン。どうやらラリパッパしちゃって寝落ちしちゃうんだけど、そのまんまフレディにビデオドロームみたいかトリップ演出でテレビに引き摺り込まれちゃって、フレディがプレイするゲームキャラになっちゃう!そのままゲームキャラとリンクしてティガーみたいにバインバインと大ジャンプしたり、ボコスカ殴られたりした上でゲームオーバー=死となっちゃうんだけど、その中でマリオそのまんまにリンゴを食べてスーパースペンサーになったり、それを楽しそうにプレイするフレディが「見事なグラフィックだ」と言ったりと笑っていいんだか、怖がっていいんだか…w

ただ、なんとこのシーンで一作目でダイナミックな死を遂げた主人公の彼氏役だった、あのジョニー・デップがなんと7年ぶりにカムバックしてのカメオ出演!!多分、こういう扱いで出るってことはこの頃からかなり売れてるんだろうことが伺えるんだけど、こういうちょい役でも嬉々として演じて出てくれる感じがジョニデだよなぁ…。めちゃくちゃテンション上がったわ。

まぁコミカルなだけじゃなく、耳が悪いカルロスの補聴器がなんか寄生エイリアンっぽいキモい見た目になって、フレディが鉤爪をどこからか引っ張り出した黒板をギーギーするとその寄生補聴器が暴走して頭がパーン!と吹っ飛んでクビチョンパという、このシリーズならではの悪趣味描写もあるにはあった。

で、後半からは、上述のフレディの奥さんはフレディにやられちゃってるんだけど、生き残った子どもは誰なのか?という部分を描いていく。で、このジョン、どうやらフレディとの対面で自分こそがフレディの息子だと悩んでいるんだけど、実はそれは違っていて、残された子どもは女の子、つまりマギーでジョンはマギーを誘き寄せるための餌だったことがわかる。で、ジョンは中盤で呆気なく死んじゃう。

で、そうなってくるとこのマギー=娘展開が生きてくる!…と思いきや、全然そうならないのが本作のトホホポイント。別にそれがわかったところでマギーが闇落ちする展開とかにはならない。普通に最後はフレディとバトって今まで以上に雑にフレディが死んで終わり(一応シリーズ初の3D演出はあったけど、ぶっちゃけここだけならいらなくね?)。最後も、カタルシスもなんもなく、マギーが「フレディは死んだわ(ハンっ!)と」ドヤ顔エンド、え?これでこのシリーズファイナルかよ、雑ぅ〜!!

一応、その前にジョンの死んだ後、どさくさに紛れてマギーにフレディの魂が乗り移ったように見えるシーンがあって、助手席にそれまでの戦いで疲れて寝てしまったマギーが目的地に着いて、結露かなんかでくぐもったサイドガラスに手を触れる=まるでフレディの鉤爪で引っ掻いたみたいに触れた跡が残るシーンは正しくフレディのお子だと観客側も瞬時にわかる描写として上手かった。でも、だからこそフレディの後継者としてマギーが利用されるとかもなく、ただ設定として出してみました感が出ちゃってるんだよなぁ。

ということで今まで6作という、割と長期シリーズとなったこの有名過ぎるスラッシャー映画の最終作は個人的にはかなりお粗末な出来といわざるを得ない。

エンドロールのそれまでのシーンも全然感慨深く感じないなぁ…。

ただ、ただ俺の目的はこの最終作じゃないんだよねぇ。かつて「タマフル」で三宅隆太監督がシリーズものとして紹介していた、この次の作品が観たかったからこそこのシリーズを観続けていたわけで、だからこそ次こそシリーズ本当の最終作として期待して観たいと思う。
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