あしからず

ロシアン・エレジーのあしからずのレビュー・感想・評価

ロシアン・エレジー(1993年製作の映画)
4.1
考えるな感じるんだ。ソクーロフは難解と聞いて強い覚悟でみたのだけれどこれは難しいとかそういう次元ではなかった。むしろ分かりやすいというか難しく考える必要があまりない体感映画。
サナトリウムに入院している末期癌患者が息を引き取るところから始まり、その後は帝政ロシアの末期の写真や第一次大戦の戦闘の映像、ロシアの美しい自然と光を延々と映している。それが全てでそれが美しい。
看護師のような人が患者の手を握って看取り、死後2時間は触れずにそのままにしておかなければならないという。これがその村の風習かソクーロフ独自の演出か分からないけどそれがなんだかとてもいいなと思った。
その時間の間に流れる過去と現在を混じえ戦争と自然が連続する映像は不思議と心地良くて、みおわった後はとても胸がいっぱいになった。豊かな緑生い茂る自然のあとにハゲ頭のアップを挿入するテクにやられる。ソクーロフ。
あしからず

あしからず