ジャッキーケン

ゲームのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

ゲーム(1997年製作の映画)
4.2
フィンチャー版「トータルリコール」
大富豪マイケルダグラスが弟のショーンペンからとあるゲームの招待状を誕生日に受け取り興味本位でゲームに参加していく、次第にどんどん過激になっていくゲームに疑問を抱き、これはゲームではなく自分を殺すための陰謀だと翻弄されていくスリラー。

中盤までは至って普通なスリラー映画でフィンチャーにしてはパンチが弱いと思っていたのですが手の込んだ脅迫、完全武装し追いかけてくる謎の集団、体に傷を負わされていくマイケルダグラスを見るうちに主人公と同じ本当は殺しが目的のゲームなのではと思わざるを得なくなってくる。

ホラー映画の「キャビン」と違ってゲームを仕掛ける側の描写が全くないしいくらマイケルダグラスが手掛かりを掴もうとしても煙のように消えてしまうミステリアスな展開は終盤までずっとモヤモヤさせられる。

本当に凄いのが終盤で何重にもどんでん返しが仕掛けられてる。ついに尻尾を掴むマイケルダグラスをこれでもかと翻弄し現実とゲームの境がなくなっていく、それこそ引き金を引くか否かの葛藤は「セブン」のブラピを思い出した。そして最悪の結末へと転がっていく。あーあいつものフィンチャー映画だと思った瞬間にさらにどんでん返しが加えられなにもかもがガラッと変わる。今回もやられましたよ

他のフィンチャーの代表作に比べると衝撃度は低いがフィンチャーがもしも「ブラックミラー」の1エピソードを監督したならっていう妄想を具現化させた映画です。
というかプロットそのものが「ブラックミラー」の「シロクマ」というエピソードに似ているのでこの手の現実かゲームか分からなくなるスリラー映画が好きな人にはうってつけの映画です。