イワシ

若き日のリンカンのイワシのレビュー・感想・評価

若き日のリンカン(1939年製作の映画)
4.5
ヘンリー・フォンダとポーリーン・ムーアの場面が素晴らしい。川辺を歩く横移動、二人の間にある壊れた柵、ムーアの赤毛を好きだというフォンダのバストショット、川面の波紋、季節が巡り冬になったときの寂寥(ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』を連想した)、全てが好き。寂寥は映画の基調を成していて、伝記映画というより哀悼映画のように感じた。

ヘンリー・フォンダ扮するリンカーンはよく座ってる印象。保安官のように足を上げ椅子に腰掛けもするが、手すりや段差に直接腰を下ろしたもする。有名なあのモニュメントのように。十戒のエピソードが劇中に出てくるが、ラストの丘の上に歩いていく姿はそれを思い出させる。

ポーリーン・ムーアをと別れたヘンリー・フォンダが石ころを投げると、川に波紋が広がるショットに繋げられるんだけど、その直後にムーアが亡くなったことを示すシーンになる。水の波紋でが死を暗喩するのは『山椒大夫』を思い出した。