クリーム

KIDS/キッズのクリームのレビュー・感想・評価

KIDS/キッズ(1995年製作の映画)
3.9
クロエ·セヴィニーのデビュー作。演技経験のない10代の少年少女を起用しているからかリアリティが半端ない。90年代アメリカで社会問題になっていたAIDSをテーマに彼等の乱れた生活を赤裸々に描いた問題作。過激かどうかは解らないけど、未成年の少年少女のベッドシーンにタバコやマリファナと今なら倫理的にOUTだからだと思う。でも好きなタイプの映画でした。
テリーとキャスパーは毎日、酒、ドラッグ、SEXと欲望に貪欲な生活を送っていた。テリーは処女の女の子とSEXする事しか考えていないティーンエイジャー。 ある日、テリーとだけSEX経験がある少女ジェニーは、経験豊富な友人ルビーの付き添いでHIVの検査を受けに行きます。 結果、ルビーは陰性で、ジェニーは陽性でした。 ショックを受けたジェニーはテリーを探し歩くのですが…。



ネタバレ↓



出演者は、プロの俳優は殆んどおらず、大体が監督のスケーター仲間。 予算が少なく衣装は出演者達の自前。なので、リアリティが増していた様に思います。また、この頃、脚本のハーモニー·コリンは、クロエと交際していたのだとか。
作中の会話が、とっても下品。男子の話はAVの観過ぎで、都合の良い様に解釈。勘違いはなはだしい。行動も友達の母の授乳中のおっぱいをガン見したり、タンポンをジュースに浸してしゃぶったり、悪ふざけもゲスい。女子の会話も酷いが、アメリカ女子は言ってそう。欲求不満のオバサンも真っ青な内容をさらりと話します。どちらも同性だけになったら、好き勝手言ってマウントを取る感じはとてもリアル。
また、公園で黒人の青年にいちゃもんをつけ、皆でボコる姿は恐ろしかった。1人に対して大勢で暴行。相手を瀕死状態にした。
たった1回テリーとやっただけなのにHIV陽性にショックを受けたジェニー。何度も多数といたした友達は陰性なのに理不尽だ。ジェニーは、テリーを探します。やっと見つけた時には自分も薬で朦朧としていて、テリーは新たなターゲットとベッドイン。ジェニーがその場で寝込むと朝方、キャスパーにレイプされるのだった。
こうやって、AIDSが蔓延して行ったと思うと恐ろしい。この映画の子供達は、小さい時けら、タバコ、酒、大麻、SEX が近くにあって、それらの危険性を把握しないまま手を出してしまう。結果、取り返しのつかない事に繋がるのは、観ていて苦しかった。やはり、性教育って大事。これは、若者に観て欲しいけど、内容がゲスいから、無理かな?


※荒んだ生活の若者が出演していた為、後にハロルド役のプロスケーター、ハロルド·ハンターはドラッグで、キャスパー役のジャスティン·ピアースは自殺でそれぞれ命を落としています。

※HIV感染者の数は、90年代から増え続けました。日本では2013年から減少していますが、今も年間約1000人の方が新たにHIV感染、またはAIDSを発症しています。 テリーのように、気付かないうちに感染し、他人に感染させてしまうケースが多いのも現状なのでしょう。
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