【世界初の長編アニメ】74点
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監督:ロッテ・ライニガー
製作国:ドイツ
ジャンル:アニメ
収録時間:65分
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今からほぼ100年程前の映画。どこからを長編というかは不鮮明ですが、世界初の長編アニメとして著名。『千夜一夜物語』を題材として、アクメッド王子がワクワク島などさまざまな場所を冒険する影絵アニメ。これ全て切り絵ということだから驚きです。非常に細かくて動きも繊細。物語もさておき、その手法に驚かされてしまいます。
イスラームのカリフの前に、魔法使いが現れる。魔法使いは彼に空飛ぶ馬を見せて、馬を渡す代わりにカリフの娘であるディナルザデーを要求するのだが。。
カリフというのはイスラーム世界における宗教的な権力者。厳密にいうと預言者ムハンマドの代理人ということなのですが、広く一般的にはイスラーム世界の王と捉えても良いでしょう。その王子であるアクメッドがディナルザデーを取り返すために冒険に出ます。ワクワクの島というのは日本を指しているのでしょうか。昔、ワクワクの国がはるか東にあると言い伝えられていましたが、ワクワク＝日本という説もあるくらいですから面白い。結局、舞台の半分は中国なのですが、影絵なのにどこで何が起こっているのかが鮮明にわかります。美しいのです。この繊細さは中々現代でも真似できないのではないでしょうか。
今作は5章立てであり、途中でアラジンも出てくるわけですから馴染み深い。影絵なのでその素顔はほとんどわかりませんが、彼ら彼女らの繊細な動きが様子を全て伝えてくれます。長い年月を経て、オーケストラの音楽がつけられて蘇った今作。アラブ世界を題材にしているということもあり中々神秘的でありました。
