Mrsフロイ

スリ(掏摸)のMrsフロイのレビュー・感想・評価

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)
3.2
ドキュメントタッチの犯罪サスペンスとの思い込みで観ると、なんと冒頭から「この映画は刑事ものではない・・」のナレーションが流れる。
1960年公開のローベール・ブレッソン監督の名作の誉れ高いモノクロ作品。
パリの地下鉄やカフェ、ロンシャン競馬場等、同時代の場景とゆったり流れる時間がモノクロ画面で公開当時の日本を思い起こす。

貧乏学生の主人公ミシェルは、下宿の部屋に鍵もかけない。貧しさが普通にある時代。スリとういう犯罪が、その主人公の美しい手の動きをアップにすることによって、まるでクラシック音楽の演奏者のように感じる。

原題は「Pickpocket」だが、邦題の「スリ(掏摸)」が似合う。


独りごと
お盆休みなので、三大スリ映画(勝手に選出)を観る事にする。先ずは1960年のこの作品から。次は、2000年の邦画「スリ」黒木和雄監督、原田芳雄主演。最後は2008年の香港映画「スリ」原題SPARROW/文雀のジョニー・トー監督。
Mrsフロイ

Mrsフロイ