Redick4

スリ(掏摸)のRedick4のレビュー・感想・評価

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)
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ブレッソン作品初鑑賞。

スリを実行するシーンでの緊張感はすごく、役者の目の動きと手元のクローズアップだけで映画におけるサスペンスを構築できることが証明されている。

ストーリーは自分の人生に実存感を得ることができない主人公がふとした瞬間にスリに手を染めたことからやがてそのスリルに病みつきになり、そこにまやかしの現実を追い求めていくという話だ。

彼がそうなってしまった背景には、貧困や社会への不満、性的欲求不満などで、「タクシードライバー」のトラヴィスの様なキャラクターに通ずる部分がある。もちろん「タクシードライバー」の脚本を書いたポールシュレイダーはブレッソンのファンであるためこの映画からインスパイアされている部分があるのだろう。
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