ベンジャミンサムナー

スリ(掏摸)のベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

スリ(掏摸)(1959年製作の映画)
4.5
「彼は自分の弱さに負け、スリという冒険を行う」

流れるようなスリの所作だけでも映像的快楽がある。

屋外でスリを行うのがメインなのに足音以外のSEがほぼ皆無なのは彼の視野の狭さを表してるのだろうか。

主人公の母が死んだ事を彼の頬を伝う一筋の涙で示したり、スリを行ってる手のクローズアップに不意に手錠がかけられ、次のカットで既に拘置所に捕らえられてたり…。
主人公のスリの動作と同じ様に、本作の語り口もとてもスマート!