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THE 有頂天ホテルのtakのレビュー・感想・評価

THE 有頂天ホテル(2005年製作の映画)
3.5
複数の登場人物を描く群像劇映画のことを”グランド・ホテル形式”と言う。これは1932年の映画「グランド・ホテル」が由来だ。グレタ・ガルボやジョーン・クロフォードが出演したこの映画。「アパートの鍵貸します」でジャック・レモンが見ようとする深夜映画でもありましたな。この「有頂天ホテル」でも引用されている。

さて、この映画は三谷幸喜監督がそのグランド・ホテル形式で大晦日におこる悲喜劇を描いた作品。名前も顔も知られたキャストの豪華さばかりが騒がれているけど、これまたみんな芸達者だから面白い。この映画は脚本の面白さもあるけれど、”キャスティングの妙”が成功していると思うのね。役所広司演ずる生真面目で優しくて見栄っ張りな副支配人いいですねぇ。「牡鹿は牡らしい」なんて的はずれなスピーチはおかしくて、でも悲しくて。総支配人伊東四朗のコミカルな演技も素敵。こういう伊東四朗がみたかったんだ!。篠原涼子が憎めないコールガールをかわいく演じている。惚れ直したぜ。香取慎吾のあの歌はしばらく耳に残った。家に帰っても歌ってたもの。
♪どんきほーて、さんちょぱんさぁ~

みんな素直にやりたいように生きればいいのさっ!と、自分を抑え込んでる現代人に元気をくれる映画だ。そのメッセージは定番なれど、ここまで話を盛り上げてくれるとこっちもその気になってしまう。でもそれ以上のものではない。三谷幸喜ならこれくらい笑わせてくれるだろう、という”期待を裏切らない映画”。シャーリー・マクレーンがかつて歌った♪If My Friends Could See Me Nowが流れるパーティ場面も楽しかった。
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