上海十月

THE 有頂天ホテルの上海十月のレビュー・感想・評価

THE 有頂天ホテル(2005年製作の映画)
2.4
配役を見て思うのですが、三谷作品に出ていた人、好きな人を配置した「三谷君とその仲間」的映画という感じがする。東京にある一流ホテルらしいのに、セットが小さいため、地方のホテルのように見える。(それもありかと思うが・・・)非常につらいのは、各エピソードの人の夢や希望が全く、誰一人共感できないところでしょうか。そして、大団円のラストに突入しても一種のカタルシスも感じないため映画見ながら、「どうしたもんか」と身の置き所が無くなった感じがします。三谷監督は、ワイルダーを尊敬しているのでこういった作品になったと思いますが、ワイルダー映画にペーソスと笑いが絶妙にちりばめており、三谷脚本のような表層をつるつる滑っている台本とは、大きく違うのです。前作「みんなの家」のような日本的な設定での笑い(アメリカンでもいいのですが)を徹底的に追求して欲しいと思いました。
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