球団のGMであるビリー。
野球の勝ち負けは試合をする前から、球団の力ですでに決まっているという問題提起があり、打開策として、データを基に、選手にではなく勝利に対して対価を払うという理論的な考えに‥。
騙しあいのスポーツである野球観戦は好きで、その一球によって展開が変わり、とても頭を使うスポーツであると思います。
もちろんプレイするのは選手ですが、その裏で選手を生かす為の戦略を立て、機動させ、駒を配置するスポーツは、将棋の世界のよう。
皆が反対する選手を、データを元に議論はいらないと説き伏せ、逆転の発想で反論する場面は楽しいです。
経験と勘という古い考えが根付いている野球の世界を占い師ではないと払拭し、データという新しい風を吹き込む柔軟さ。
スポーツや勝負の世界は一流になればなるほど結果が全ての厳しい世界。白黒はっきりさせるビリーの発言も潔くて好感が持てました。
確かに皆それぞれ考えは違うと思うし、自分の役割を果たす為に自分の仕事をしています。時には考えの違いから亀裂が生じる事もありますが、考えがあっての行動を認める柔軟さを持ち合わせていたいです。
ビリーを支えるピーターの役割も重要で、いつもオドオドしている彼に自信を持たせるように後押しする姿も良かったです。
野球は9人それぞれ役割があり、皆が主役になれるスポーツ。裏方に焦点をあてた作品ですが、自分を信じて勝利する為の戦略を立てていくこの作品は面白かったです。
アカデミー賞作品賞ノミネート作品です。
