ウシュアイア

マネーボールのウシュアイアのレビュー・感想・評価

マネーボール(2011年製作の映画)
3.5
[あらすじ]
元野球選手のビリー・ビーンはアスレチックスのゼネラルマネージャーとなるが、資金不足により,育てた選手は他球団へ引き抜かれていく状況を手をこまねいて見ているよりほかに術がない状況に追い込まれていた。

そんなあるとき、スポーツはからきしダメだが、データ分析に長けたイェール大卒の青年ピーターと出会う。ピータの分析により、最小限の投資で勝利を導く、マネーボール理論を展開し、周囲の反発を受けながらも、アスレチックスを常勝チームへと変えていく。


[感想]
卓越した球団経営で世間をあっと言わせたビリー・ビーンを描いた映画であるが、この作品の中で、マネー・ボール理論をつくったのは彼のブレーンである、ピーターではなかろうかと感じる。しかし、どんなに素晴らしい理論であっても、実行できるだけの力がなければ絵に描いた餅であり,やはりピーターの理論を見出したビリーの眼力あってこその球団の快進撃である。有能な経営者や指導者は自身にその能力がなくても、他の人間の能力を見いだせるかどうかが、最も重要であるようだ。

また、クライマックスで描かれる、自身が莫大な契約金でプロ入りした後悔から、金で人生を決めない、というマネーボール理論と矛盾している彼のポリシーは、拝金主義のアメリカ的な考え方とは異なり、多くの日本人に共感できる部分はあるだろう。

球団経営を描いた作品ということで、コンセプトはアメリカ版『もしドラ』(映画も本も知らないが)なのだろうか?
(2011年11月23日)
ウシュアイア

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