オーウェン

マネーボールのオーウェンのレビュー・感想・評価

マネーボール(2011年製作の映画)
4.0
2001年オフ。アスレチックスのGMビリー・ビーンは悩んでいた。
デーモンやジアンビーなど主力が抜けた穴をどうやって埋めるのかに。
そこでビリーは奇策ではなく、現実的な手法としてマネーボール理論を実践させる。

常識では通用せず、金さえあれば勝てる球界に風穴を開けることになるビリー・ビーンの軌跡。
ファンや選手は夢を見るものだが、GMは現実的にならなければならない。

だからこそ選手にクビも言い渡すし、起用法も監督に言及する。
当たり外れが大きい博打よりも、目に見えない数字に目を付け選手を獲得する。

金がないからこそ実践する手法であり、他の球団からは受け入れ難い方法。
だがこの理論は20連勝という記録を残して称賛される。

ただこの理論は長期的な視野で見るから通用するのであって、短期的つまりはプレーオフには向かない。
だからこそアスレチックスはいつまでたってもワールドシリーズに進出できない。

ビーンが言うように俺たちは負けたと呟く。
野球映画でありながらもほとんど盛り上がりはなく、淡々とした演出に集約される。
すべてはGMの物語であり、見方を間違えなければ楽しめる。

ブラッド・ピットが現実的であり野球から距離を置いたGMを好演している。
彼の相棒になるジョナ・ヒルも転身的なサポートで印象に残る。
野球映画に新たな形を持ち込んであり、新鮮な感覚を味わえた。
オーウェン

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