“欲しいのはスターじゃない。コスパだ!”
元メジャーリーガーの冷徹GM(ゼネラルマネージャー)が極貧球団アスレチックスをデータ分析の観点からチームを立て直していく実話系社会派ドラマ映画。
スポ根大逆転モノではない。
むしろ冷徹で独裁者ブラッドピットGMがデータ統計の観点から容赦なく選手をトレードし、裏方をバッタバッタ切っていく様は背筋震える。
ただその根底には彼の野球への夢と情熱がある。
若かりし日の選手だった自分と、いま選手を扱う側になった自分との葛藤や苦悩が伝わる。人間ドラマが引き締まっている。
そこに共感が持てるし、品のあるドラマチック作品として最後まで観るものを牽引してくれる。
適材適所、そんな言葉を体現する地味だけど確かなスーパープレイの連発。
よく野球選手といえば年俸高い=一流選手だけが重宝されがちだけど
“1億円プレイヤー1人の働きを3000万くらいのプレイヤー3人でまかなった方が無理ないよね?”
という発想がすごい。メジャーの話のはずなのに日本的で好感が持てる。
あとシーズン中の選手トレードが盛んなメジャー市場の原理がわかって野球ファンとしても勉強になった。
野球に限らず働き方というか、夢や目標へのプロセスを考えさせられる。
大人になって観てよかった映画。