ぎー

マネーボールのぎーのレビュー・感想・評価

マネーボール(2011年製作の映画)
4.0
「なぜ彼が好きかって?彼は塁に出るからさ。」
主人公ビリーがGMとしてメジャーリーグでも指折りの貧乏球団アスレチックスを、統計学的手法を駆使してプレーオフ常連の強豪チームとして作り上げていくストーリーを描いた映画。
この映画がズルいのは、実話に基づいているということ。
アスレチックスは全然大袈裟じゃなく貧乏球団だし、ビリーの手法によって沢山勝つ事ができたのも事実。
フィクションだったらそんなのあり得ないって思ってしまいそうなところだけど、実話だからただただ感動してしまう!
というか、こんな嘘みたいな物語を実際にやってしまっていて凄すぎる!!
映画でも描かれている、2002年前後に、自分の身の回りでもアスレチックスファンが増えたことを思い出した。

熱狂的な野球ファンでもない自分にとって、野球界の裏方の動きがエネルギッシュに描かれていて、それだけですでに面白い。
普段目が行くのは正直選手、そして監督くらい。
GMやオーナー、スカウトの活躍が興味深かった。
特にトレード最終日の電話会議による交渉の様子など、ワクワクした!

ビジネス的な視点で言うと、やっぱり旧来のやり方を覆して新しい手法を取り入れ、しかも身の回りから批判されるだけでなく、全米から疑問の目を向けられながらやり切ったビリーの意志の強さ、実行力は凄まじいと思う。
もちろんアシスタントのピーターも非常に優秀なんだとは思うけど、確固たる意志を持って、誰に何を言われようとやり遂げたピーターの行動は、なかなか真似できるものではない。

彼はデータに基づいた統計的なプロセスを採用した。
またビジネスの話になってしまうけど、今の日本はこの点で非常に遅れている領域が多々ある。
今までこうやって来たから、1番結果を残して来た人のやり方だから、がまだまだ多い。
これだけデータを取れる時代になっているのだから、変わっていかなきゃな。

でも何より、結局ブラッド・ピットが格好良すぎる。
もし主演がブラピみたいなスター性のある人じゃなかったら、興味深いけどちょっと小難しい映画になってしまったかもしれない。
本当に個人の力で映画をワンランク上にあげられる凄い俳優だと思う。

1番印象に残っているシーンは、皆に批判されながらもビリー主導で獲得したバッテバーグ選手がホームランを放ち、アスレチックスが20連勝を達成した場面。
ビリーの信念が達成されると共に、これだけ統計学的な手法を取り入れながらも、自分が試合を見に行くと勝てないと言う非科学的なジンクスに苛まされて来た彼に大きな確信を与える感動的な場面だった。
この映画はあくまでも野球の裏側がメインで試合の様子は脇役だけど、キチンと感動的にドラマチックに演出されていて、それが効果的に用いられることで、素晴らしい映画になっていた。

◆備忘ストーリー
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/マネーボール_(映画)
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