ロアー

ウィルバーの事情のロアーのレビュー・感想・評価

ウィルバーの事情(2002年製作の映画)
3.3
#マッツ祭 15作目

大好きなアナス・トマス・イェンセン監督が脚本を担当している作品です。

自殺を止めた縁でウィルバーとアリスに恋愛フラグが立ちそうだけど、そっちじゃなく、ウィルバーの兄とアリスが結婚するという展開。ただし、ひとつ屋根の下で男2人女1人(と娘)が暮らしていれば、やはりそういう展開もあるわけで・・・
ずっと自分を支えてくれている兄の奥さんと浮気するなんて、ウィルバーがとんでもなく酷い奴に思えるけど、決してドロドロした話にならず、静かに寄り添うように3人の関係が進んでいくという、何とも不思議な空気感の映画でした。

そんな中、前触れもなく、ふらっと自殺を試みようとするウィルバーのシーンが中々ショッキング。必死で「救急車を呼んでくれ!」と叫ぶ兄のシーンが印象的でした。ラストを考えれば痛烈に皮肉の効いた作品とも言えるけど、それにしては優しくてもの悲しくて温かくてさみしいという、とにかく言葉で表現するのが難しい映画です。1度は国内で放送されたこともあるので、ちゃんとDVD化してくれればいいのに・・・

今回のマッツの役は精神科医のホースト。
初登場シーンからどこか茫洋とした雰囲気で出番も多くないため、何となく友情出演のような雰囲気が感じられる役です。でもやっぱり、医者の役っていいですよね。白衣っていいですよね。
外国(デンマーク)から来た当初は何言ってるか全然分からない下手な英語で話していたらしく、その頃のホーストの様子も観せて欲しかったです。
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