櫻イミト

帝都大戦の櫻イミトのレビュー・感想・評価

帝都大戦(1989年製作の映画)
3.0
荒俣宏「帝都物語」40周年の記念に鑑賞。

実写版「帝都物語」(1988)の翌年に作られた続編。名映画プロデューサーである一瀬隆重の唯一の監督作。特殊造形スクリーミング・マッド・ジョージ。原作は「帝都物語11・戦争篇」だが大きく翻案している。荒俣宏がカメオ出演。音楽はゲルニカの上野耕路。

昭和20年。東京大空襲で満ち溢れた怨念により魔人・加藤保憲が蘇える。一方、日本軍上層部は逆転勝利のため霊的指導者の高僧・観阿彌光凰(丹波哲郎)の霊力を科学力で増幅し連合軍首脳を呪い殺そうと計画する。。。

評判が悪いので避けていたが、ハードルを下げて観てみたら頑張って作られていて好感は持てた。美術や特殊メイクは良かったと思う。

一番面白かったのは、終戦間際に行われたヒトラーとエヴァの結婚式の現場に丹波哲郎の高僧が現れて呪い殺すシーン。”戦争を終わらせるために日本がヒトラーを暗殺した”というトンデモ歴史秘話に新東宝の霊的エネルギーを感じた。しかし結局、加藤保憲の役割が何だったのか良くわからなくなるシナリオになってしまった。

辰宮雪子の疎開した先は「平将門」の末裔を祖とする福島県の相馬俤神社。現在の相馬神社各社は南相馬市や双葉町に点在している。東日本大震災で津波災害や原発事故の起きた地域である。
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