たく

ファニーのたくのレビュー・感想・評価

ファニー(1961年製作の映画)
3.5
マルセイユの港で育った幼馴染の男女の愛の行方を描いてて、レスリー・キャロンの庶民的な美貌、シャルル・ボワイエ、モーリス・シュバリエという二大名優の味のある演技を堪能できる豪華作。

セザールの店を手伝ってる息子のマリウスが、たまに来航する科学探査船に乗りこんで世界を旅することを夢見てるんだけど、ファニーが心残りで決心がつかないんだよね。ファニーもマリウスを愛してて街に残って欲しいんだけど、”提督”に説得されて彼を行かせちゃう。このシーンの提督が一瞬悪魔に見えるのが怖かったね。

シングル・マザーが許されなかったこの時代にファニーが苦しい決断をするあたりが人生の皮肉で、それを理解して受け入れるパニースの優しさと、セザールのまっすぐな息子愛とか誰も悪い人が出てこないんだよね。
回り回って丸く収まる感じのラストの余韻もいい感じ。
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