ひでG

氷点のひでGのレビュー・感想・評価

氷点(1966年製作の映画)
3.3
雨でゲオにも行けなかった日曜。
ネット配信をまたまた利用。

「大人の大映映画特集」
前回すげ〜駄作で参ったが、
さすが有名原作、さすが山本薩夫!

なかなか面白かったよ。
原作は未読だけど、ドラマの記憶がかすかにある。

いやあ、ドロドロでんなあ!
でも、テンポがいいから、嫌な感じはしない。
役者さんの使い方が上手いよね。

特に若尾文子。
あの色気。あの色香を出せる女優さん、今はいない。

中盤津川雅彦を誘惑するシーン。
俺だったら「お願いします!」って、即答しちゃうよ。

船越英二、山本圭、森光子、若い安田道代、鈴木瑞穂、、、

この頃の俳優さんはきちんとしてるよ。安定してるよね。


さて、お話。かなり残酷なんだけど、ちょっと韓国映画にも通じる「憎しみ系」

日本映画が、いやおー袈裟に言えば、日本社会が避けているテーマ。苦手なテーマ。

韓国映画は避けない。堂々と憎しみをぶつける。
日本映画は、中途半端に許しちゃう。

まあ、日韓の相違は別の機会にするとして、
この夫婦、本当に憎むべきは犯人なのに、それをお互いへの憎しみに転化して、さらにそれを陽子への憎しみに再転化する。

転化することで、生き続けられるってこと、人にはあるよね。

そんな憎しみが集まる陽子を異常までに?愛する兄。

憎しみも愛も全て陽子に集中する。

この映画のまあまあの成功は、細かい日々の憎しみを見せなかったところ、
例えば、給食費の件とか、

まあ、尺の問題だったんだろうけど、90分にまとめたことで、見易く、テンポも出たんでしょ。

日曜の夜はこれで、おしまい。
ひでG

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