すずき

魔人ドラキュラのすずきのレビュー・感想・評価

魔人ドラキュラ(1931年製作の映画)
2.5
20世紀初頭、トランシルバニアの荒れた古城に住むドラキュラ伯爵。
彼は街の住民からは吸血鬼と恐れられていた。
だが、ロンドンの不動産屋レンフィールドはそれを迷信と一蹴し、伯爵を訪れる。
伯爵はレンフィールドからロンドンの荒れ家を賃貸契約する。
その帰り道、レンフィールドの乗った船は難破し、船員は全員死亡、レンフィールドは狂人となって病院に収監される。
そして伯爵はロンドンに移り住む。
だがその後、街では奇妙な殺人事件が起こり…

ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」の、正式な初映画化作品。
この前には「吸血鬼ノスフェラトゥ」があるけど、そっちはタイトルが違う事から分かる通り、権利を取っていない作品。
また、海外向けにスペイン語版も同時に撮影されたそうな。
スペイン語版の方が演出や撮影が凝っているらしいが、キャストは全取っ替えなのでベラ・ルゴシの気品あるドラキュラ像が見られるのはオリジナルだけ!

んで、映画の内容はというと、流石に古過ぎてあんまり面白くない。
クライマックスも拍子抜けするほどあっさりで、派手なバトル等はない。吸血鬼すぐ死ぬ。
ただ、ベラ・ルゴシのゆっくりした動きと喋り、芝居のかかった動作、瞬きを一切せず見開く眼(まなこ)の目力には魅せられる。
佇まいがもう絵になる、まさにスターのオーラ。

ヴァン・ヘルシング教授は元々はパンパイア・ハンターではないのね。
吸血鬼を研究する科学者、という設定。
ヒュー・ジャックマンの「ヴァン・ヘルシング」ではゴリゴリマッチョだけど、普通に老紳士だ。
やっぱりオリジナルを知るって大事ね。ホントは原作を読むべきなんだけど…

あと、ドラキュラが蜘蛛の巣を壊さずに通過するのは、「ジョジョ3部」のホルホースvsディオの元ネタ?
それからドラキュラ城にアルマジロが飼われてるのも「吸血鬼すぐ死ぬ」の元ネタだね。