テオブロマ

レンタネコのテオブロマのネタバレレビュー・内容・結末

レンタネコ(2011年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

※リアリティとかそういうのを重視する作品ではないし、ファンタジーに無粋なつっこみをしてしまうタイプの自分の選択ミスであることは承知の上でのレビューです。

本作により市川実日子の女優としての才能に疑問を抱き、シン・ゴジラでの名演を観るまでは彼女の出演作はできるだけ避けたいとすら思っていた。本当にすみませんでした、忌避すべきは監督の方でした。

今まで鑑賞した中で最もひどかった映画は?と訊かれた場合まず浮かぶもののひとつがこれ。そもそも荻上監督作品の雰囲気や作り自体が非常に苦手なんだけど、中でもこれは駄作中の駄作と言いたい。猫をテーマにしておきながら、猫への愛が映画から微塵も感じられないのには流石に驚いた。愛猫家として付けられるものなら0点を付けたいけど、最低が1.0点なので止むを得ずこの点数に。

猫とはとても繊細な生き物で、些細なことでストレスを感じては体調を崩したりする。例えば猫を連れて引っ越しする場合など、猫が新居に馴染むまで実に様々なことに注意しなければならない。その点、それまで共に過ごしていた他の猫達と引き離され、赤の他人に預けられ、見知らぬ家に放り込まれ…当然動揺するであろう猫のメンタル面を一切考慮しない本作の主人公はすごい。これで猫好きを自称して憚らないのだから本当にすごい。私にはとても真似できない。

すし詰め状態の猫を炎天下で連れ回しているけど、猫の水分補給やトイレなどはどうしているのか?適性検査として相手宅を訪れているが、 あれは何を見ているのか?猫を迎える準備すらしていない状態で訪問する意味とは?賃貸なら、最低でもペット可物件か確認すべきでは?妻が猫アレルギーなのにそこを無視して猫を迎えようとする夫、一般の店に猫を連れて堂々と入店する神経、突っ込みどころがあり過ぎて指摘しようにもきりがない。これを臆面もなく世に出せてしまう監督の神経も本当にすごい。猫に限らず、生き物というものはただ可愛い!飼いたい!という気持ちだけで飼っていいものではない。

猫以外にも、洗濯物の乾き具合を一切気にしていないであろうめちゃくちゃに張り巡らされた洗濯ロープ、各職業を馬鹿にしているとしか思えない「副業」の数々、達成する気がまるでない目標を書いて貼る行為など、何となく絵的にいいんじゃない?ギャグっぽくて面白いでしょ?とでも言いたげな無意味な描写にも心底イライラする。

こんな捻くれた考え方をしてしまうなんて、私の心には本作でいうところの大きな穴ぼことやらが空いているのだろう。恐らく監督的には私は寂しい人なのだ。あのままごと用のおもちゃ以下のくだらない借用書を書いて猫をレンタルすべきなのかもしれない。
が、私にはすでに溺愛している猫がいるし、猫の心身の健康を第一に考えて日々世話をしているので、レンタネコのお世話になりたいと思う日は一生来ないと思う。