ナツミオ

12モンキーズのナツミオのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
4.0
WOWOW on demand鑑賞
【SF特集: 未来を取り戻せ!】
"ミイラ取りがミイラ“
現在のコロナ禍やウクライナ情勢など不穏な現在に通じる空気……

ブルース・ウィリス、ブラッド・ピットら豪華キャストが競演し、鬼才テリー・ギリアムが監督したSFサスペンス。人類が絶滅寸前に陥った理由を探るため、未来からひとりの男がやって来る…

映画賞
・ゴールデングローブ賞(第53回 1995年度)受賞
助演男優賞(ブラッド・ピット)

・サターン賞(1996年)受賞
最優秀SF映画作品賞・
衣装賞(ジュリー・ウェイス)・
助演男優賞(ブラッド・ピット)

原題 『Twelve Monkeys』

1995年米作品
監督 テリー・ギリアム
脚本 デヴィッド・ウエッブ・ピープルズ ジャネット・ピープルズ
音楽 ポール・バックマスター
撮影 ロジャー・プラット
出演 ブルース・ウィリス マデリーン・ストウ ブラッド・ピット クリストファー・プラマー ジョン・セダ H・マイケル・ウォールズ ボブ・エイドリアン サイモン・ジョーンズ キャロル・フローレンス

翻訳者 戸田奈津子

(WOWOW番組内容より)
2035年、人類は謎のウイルスによって99%を失い、絶滅寸前に陥っていた。その原因を探るべく、受刑者のジェームズ・コール(ウィリス)がタイムトラベルの実験台にされ、過去の世界へと送られる。手掛かりとなるのは"12モンキーズ“という謎めいた言葉だけ。まずウイルスが発生する6年前、1990年にたどり着いたジェームズだが、警察に逮捕され、心の病を治す施設に送られてしまう。彼はそこで、ジェフリー・ゴインズ(ピット)という患者に出会うのだが……。

テリー・ギリアム監督は、あの伝説のコメディ集団"モンティ・パイソン”のメンバー。
子供ながら深夜放送でよく観た番組"空飛ぶモンティ・パイソン“
シュールで下品、ナンセンス、ブラックな非常にクセの強いイメージ。

ギリアムが描く未来は、『未来世紀ブラジル』(1985)と同じような世界を感じる、ゴテゴテした未来⁈

世界を襲った謎のウイルスにより全世界の99%が死滅する未来は、空想とは思えない世界‼️

『未来世紀〜』で配給元ともめてハリウッドから煙たがられていた監督が本作ではスムーズに製作は進められたそう。

フランスの映像作家クリス・マルケルの短編映画 『ラ・ジュテ』(La Jetée) (1962)にインスパイアされて作られた映画で、時間と記憶をテーマにしている。(Wikipediaより)

1990年の米・フィラデルフィアの療養施設に収監されてしまったジェームズ(ウィリス)が"12モンキーズ”という謎の言葉を教えられ、その後ウイルスが拡散する1996年にタイムトリップし、ジェフリー(ピット)が重要な鍵を握る人物であることが判る。

ブルース・ウイルスがスキンヘッドで挑んだ役柄は、ピットから"世界一美しい頭骨“と命名されたエピソードも同感、以降この頭のイメージが刷り込まれる⁈

ジェームズが未来から送り込まれたミッションは、人類のほとんどが死滅するウイルスが何故拡散したか?を解明すること。
拡散を防ぐためでは無いのが監督の意図するところ⁇

ブラピの、療養施設での挙動不審な患者ジェフリーの役作り。
コンタクトを入れて焦点の定まらない視線と表情は、撮影前に療養施設に入所して役作りに挑んだ意気込みは、ゴールデングローブ賞、サターン賞で助演男優賞を受賞。ある意味、主役を食ってしまった‼️

ジェームズが子供時代に目撃した"ある事件”が時折フラッシュ・バックで描かれ終盤にその謎が解き明かされる。

何回か未来と過去、そして関係の無い時代(第一次世界大戦の西部戦線)にもタイムリープしたり、最初も間違ってウイルス拡散前の時代に着いたりと未来の技術不足⁇の面も描かれる。

ジェームズが収監された施設の精神科医師キャサリン・ライリー博士役マデリーン・ストウもジェームズと謎を解明しようとするバディとして出演。
後半の空港での悲嘆と絶望のシーンで、微かな微笑みを見せる表情は必見‼️

音楽は、ポール・バックマスター。
アストル・ピアソラの アルゼンチン・バンドネオン に「プンタ・デル・エステ組曲」を、アレンジ。

オープニング、中盤、エンディングで流れる耳に残る。
またエンドロールで流れるサッチモ、ことルイ・アームストロングの名曲
"この素晴らしき世界”
も皮肉たっぷり。

果たして、未来は取り戻せたのだろうか⁈
少しクセある面白いSFサスペンス作品。


忘備録
アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla) の アルゼンチン・バンドネオン による印象的な「プンタ・デル・エステ組曲」を、ポール・バックマスターがアレンジした

「“イントロダクション” 組曲プンタ・デル・エステより」
('Introduccion' From Suite Punta Del Este)
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