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12モンキーズのRのレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
5.0
最高!!! 12モンキーズの不気味なシンボルがグルグルと終わりなき円を描き、狂気の終末タンゴが鳴り響く魅惑のオープニング!!! 恋に落ちるしかあるまい!!! 時は近未来、1996年。細菌のアウトブレイクで50億人が死滅、地表が居住不可能になったのち、少数の生き残りが地下で暮らしている。地下世界は少数の科学者に支配されており、囚人のコールがタイムトリップで過去に送られ、細菌をばら撒いた12モンキーズというグループを調査するという任務を与えられる。コールを演じるのは世界一のセクシーハゲ、ブルースウィルス。タイムトリップに失敗して1990年に到着するや否や、精神病院に入れられて、2回も拘束全裸に冷水でブラシゴシゴシ! そして、院内で出会うジェフリーというエキサイティングなキチガイ。ブラピが最高に狂ったイケメン演技をかましまくってて、確実にキャリア最高! 狂気の発作のなかで愉快なムーニングすら見せてくれます。お楽しみに。で、どう言ったわけかコールに優しい同情とケアを示す精神科医キャサリン、こちらは知性と美貌と思いやりが落ち着いた調和を見せるマデリンストウ。精神病院で投与される強度の鎮静剤でガンギマリよだれだらだら状態のコールは、ジェフリーの助けで何とか院内を抜け出そうとするのだが…こんな体たらくでコールは謎の集団12モンキーズを特定できるのか、そして、人類を滅亡の危機から救うことができるのか、って話だと普通に思って見てたら、だんだんと、ん? ちょっと待て、これって本当は、妄想の未来世界と現実を行ったり来たりするただの頭のおかしい男の話なのではないか…?という疑惑が起こってきて、自分という主観の中でしか生きられない人間の世界認識が、いかに不確かで脆いものであるかを、グラグラになるまで暴いて骨抜きにし、うおおおお、ってなったあとで、さらに見てるこっちの頭をぐるんぐるんと振り回し、うおおおおお! ってなります。自分のよく見知った世界がいろんな意味で崩れゆく終末的ビジョンをギラギラした映像と音響で見事に具現化したテリーギリアム。本作は確実に彼の最高傑作でしょう。ってこの人の映画あんま見たことないけど笑 そして、終盤は前半に散りばめられたすべての伏線が見事に回収されていき、そのひとつひとつにあ! あ! と鳥肌の連続! あと、ヒッチコックオマージュも最高でしたね! 本作を観る前にヒッチのめまいを見ておくともっと楽しめるかも! からの! 衝撃のエンディング!!! うおおおおおおお!!! 最高!!! 愛す! 心から愛してやまぬ!!! ちょい役で出てる僕の大好きなデヴィッドモースも素晴らしかった。これ観るの5回目なんですが、よく考えたら初めて見たときぜんぜん意味わかんなかったような覚えが。1回目はけっこう難解な作品かもしれない。だが見るたびに味わいが深くなるスルメ系やと思います。笑えるシーンも結構沢山あるし、途中のブルースウィルスのボケナス感最高😂 ちなみに12モンキーズのタンゴは僕の人生のテーマ曲となりました。葬式は是非これで。
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