COZY922

12モンキーズのCOZY922のレビュー・感想・評価

12モンキーズ(1995年製作の映画)
3.8
いわくありげな12匹の猿のマークに、不穏な空気を煽るような いかにもこれから何かが始まるぞ的な音楽。やたら耳に残るこの音楽が映画の世界にいとも簡単に観る者を引き込む。大好きなタイムトラベル系ということもあって最初からテンションが上がりました。

人類が地上を追われた後の2035年に存在する1人の囚人が、特赦を条件に1996年にタイムトラベルして人類の99%を死滅させた その謎の細菌の原株を持ち帰れという指令を実行しようとする話。特赦というニンジンをぶら下げられて、胡散臭い科学者からの指示にやむを得ず従う主人公に、暑苦しい雰囲気の(失礼) ブルース・ウィリスのキャラがなかなか合ってます。

複数回に及ぶ過去と未来の行き来に加え、過去の人間は当然ながら彼の話など信用せず精神病扱いされるうちに彼自身もこれは自分の妄想じゃないかと思うことから、観ているこちらもどれが真実でどれが妄想・夢なのかだんだんと混乱してくる。製作者の仕掛けた罠にまんまとはまってしまう。

しかも仕掛けは1つじゃないときている。伏線や暗喩がやたらとあちこちに散りばめられていて、1回めではそれと気がつかず2回めの鑑賞で、ああ、これはあの出来事と掛けてあるんだなという発見が多い。そして発見が多いぶん、2回めのほうが味わい深かった。観れば観るほど味が出るスルメ映画と言えるかも。

結局、人類はどうなるんだという最大の疑問。あのラスト、いろいろな解釈ができそうですが、滅亡は阻止できたものと推測しました。
COZY922

COZY922