『Mr.レディMr.マダム』『奇人たちの晩餐会』など数々のコメディの脚本や監督を手がけてきた、フランスコメディ映画界の重鎮フランシス・ヴェベール監督のバカバカしいコメディ映画。
コンドーム会社に勤める経理部の中年男がリストラの危機に直面し物語は展開されるが、コンドーム会社に勤める設定がすでに普通じゃなく可笑しなことが巻き起こりそうな予兆がする。
『奇人たちの晩餐会』などでも登場する役柄〝フランソワ・ピニョン〟が今回も主役だ。
フランシス・ヴェベール監督にとっての〝フランソワ・ピニョン〟像は、同じコメディ映画でも性格も容姿もまったく違う。
今回は〝ダニエル・オートゥイユ〟をピニョン役に起用したが、あの生真面目で神経質そうな風貌がどうも個人的にはピンとこなかった。
生真面目で神経質な性格は映画自体の役柄設定に合ってはいるが、自分の中でダニエル・オートゥイユ〟は『橋の上の娘』や『隠された記憶』の物静かな印象が強すぎた。
若い時は『ザ・カンニング』で青春コメディなどを演じ、『ぼくの大切なともだち』でもコメディを演じているが今回のコテコテのコメディだと…。
馬鹿げた内容だがフランスらしく2001年当時としては、社会問題を風刺しコメディとして笑い飛ばす。
映画に様々なジャンルがある中で、コメディ映画が1番難しいと思っているし好き嫌いも別れるだろう。
ただコメディも結局人間ドラマの1つで、誰もが日常で感じる〝有りそうで無い・無さそうで有る〟そのギリギリのところが面白い。
ツボにハマるかハマらないかは、あなた次第。
しかしやっぱり〝ピニョン〟役は『奇人たちの晩餐会』の〝ジャック・ヴィルレ〟に勝る役者はいないだろう..★,