回想シーンでご飯3杯いける

ストロー: 絶望の淵での回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ストロー: 絶望の淵で(2025年製作の映画)
3.8
Netflixの視聴数ランキングでずっと上位に入っているのが気になって鑑賞。タイラー・ペリー監督、脚本による作品で、アフリカ系のシングルマザーに降りかかる不幸の連鎖をスリラー仕立てで組み立てている。

黒人差別、シングルマザーである事から生まれる不便、無理解な職場上司、貧困による家賃滞納、融通の利かない金融機関の手続き、マナーの悪いドライバー等、確かに彼女の環境なら、そして僕達にも起こり得るトラブルの数々が、よりにもよって連続で畳みかける。

本作が映画として秀逸なのは、それらを1日の出来事としてスリリングに配置している事。約100分の作品なので、とにかく展開が速い。と同時に主人公のストレスをまるでリアルタイムで共有しているような感覚を味わえるのである。

スリラーとして観ている僕達の予想を良い意味で裏切っていく後半の展開も秀逸だ。どんどん追い込まれる主人公に対して、周囲の人達の反応も千差万別。え、こういう話だったのか!という驚き。つい埋もれがちな配信限定作品だが、これはチェックした方が良い。