菅原文太の東映での主演デビュー作らしいけれど、なんか日活の『無頼』シリーズっぽい(名前も五郎だし)。待田京介とのファーストコンタクトが「電車賃の立て替え」なのだが、あれを恩義に感じて殺し合いに参戦するあたりかなりヤバい。子分や女性陣も添え物。
しかしつまらないのかというとそうでもなくて、夜の橋の下?での闘いだとか、ラストの繁華街まで飛び出しての討ち入りだとか、東映の技術力を感じさせる良いシーンはいくつもある。あと若山富三郎の前転もすごい。目を瞠るとはこのことである。
劇中に登場する喫茶店、ガラスの壁にメニューがプリントされているオサレ仕様なのだがオレンジジュースが「ORANGE JUISU」になっていて、切ない。