HicK

チャーリーズ・エンジェルのHicKのレビュー・感想・評価

チャーリーズ・エンジェル(2000年製作の映画)
4.2
《おバカなダサかっこよさが秀逸》

【気持ちいい「おバカ」】
冒頭のアクション、ルーシー・リューの"髪バッサー"そしてタイトルバックまで、『全力でおバカやりますんで、ヨロシク』宣言が気持ちいい。

『テレビ版のエッセンスの一部である「ツッコミどころ」を隠すとダサいので、恥じる事なく堂々とおっぴろげにしたら、究極なおバカになりました』というテイストなのが好き。

【ダサかっこいい演出】
マックG監督のミュージックビデオ風な演出やカメラワークが全編に散りばめられ、いかにもなクール感。そこに2000年前後にトレンドになった無重力な香港ワイヤーアクションとデスティニーズチャイルドなど00年代のRBが加わり、今見るとY2Kの魅力がたっぷり詰まっている作品。

【ゆるフワコメディー】
当時のキャリアを反映したドリュー・バリモア演じるディランのアウトロー感。ルーシー演じるアレックスのハイクラスだけどイッチャッテル系女子。キャメロン・ディアス演じるナタリーのド天然キャラ。など全員がかなりキャラ立ちして笑える。特にキャメロン/ナタリーの雰囲気に作品全体が染まってるような気がする。下ネタも多い。そこに加わるビル・マーレイの放し飼いという緩さ 笑。

【ちゃんとやってるアクション】
プロデュース兼任のドリューの方針である"銃禁止"の方向性のもと、「マトリックス」のコレオグラファーによる指導という本格的な体制。ワイヤーアクションのトレンド上、安っぽくも感じる場面も多いが、ほとんどのシーンで女優たちの顔が見えているのはポイントが高い。ぎこちなさはあるものの、彼女たちのポテンシャルは高く、柔軟性ある美しい蹴りや跳ね起き、ワイヤーでのバク転や側宙などとてもキレイだった。いちいちダサい構えのポーズもコメディとして成立。

【その他】
ヤセ男を演じたクリスピン・グローヴァーは「バックトゥザフューチャー」の続編を断ったのに、もっと変態な役でこのシリーズ全2作品に出演しているのがおかしい 笑。

ほとんどがドリューの選曲で構成されているサントラも最高。

【総括】
「敵の本拠地を小鳥が教えてくれる」というバカげた展開からも方向性が明確な今作 笑。おバカ作品として最高。緩い笑い、大規模なアクション、煌びやかなシーンの数々、バービー人形並みの着せ替え、そして、外すところは外すというルール付けが絶妙なダサかっこよさを演出していた。

このシリーズは、アクション作品としてというより、コメディー作品としてマイベスト級にツボな作品。
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