むぅ

男と女のむぅのレビュー・感想・評価

男と女(1966年製作の映画)
3.8
私は絶妙な音痴である。

なので
「ほら、あの曲!」
「え?ちょっと歌ってみて!」
の、くだりは恐怖しかない。

でも、この"ダバダバダ〜"は何とか頑張れそうな気がする。
そもそもこの曲をご存知の方だったら、歌わなくとも"ダバダバダ"の!ネスカフェの!でいけそうである。

お互いにパートナーを亡くしてしまった2人の大人の恋。

相手が自分の事をどう思っているのか探る一つの戦法として、ふと身体のどこかが触れ合った時にどんな反応をするか、というのはあると思う。
好意があるからこそ照れてパッと離れることもあるし、何とも思ってないからこそ、そのまま放置することもあるので、結果、当てにならないような気もするが。

彼が彼女の椅子の背もたれに手をかけ、その手と彼女の背中にフォーカスが当たる。
あの何かが始まる予感は、恋愛音痴だったとしても、その恋を歌えるはず。
素敵!と思いつつも、"きゅん"ではなくて、"うほほっ"という感情が生まれたので、ちょっと自分に引いた。

触れそうで触れない手
車を運転する手
口元を隠す手
髪をかきあげる手
背中にまわされた手

その色香をまとう手が良かった。

鮮やかに料理やカクテルを作る手、本のページをめくる手、時計やネクタイを外す手に惚れ惚れすることがあるので、私の中で"恋と手"は密接な関係にあるのかもしれない。
むぅ

むぅ