katoharu

男と女のkatoharuのレビュー・感想・評価

男と女(1966年製作の映画)
3.9
フランシスレイが亡くなったニュースを見てそろそろ観ようと決めた。
大人のお洒落とはこういうこと。
小学生の頃から知っていたが、ある程度大人にならないと見ないと決めていた映画。やはりそうしてよかったーー(笑)
セリフや情報量の少ないMVのようなシーンを挟み、余白や余韻で男女それぞれの気持ちの微妙な揺れを描いている。
カメラの撮り方も、音楽も洋服も小物も、全部センスの良さが感じられる。車と煙草が異常に美しく描かれていて、監督のこだわりを感じられざるを得ない。
画面の色味も光が多く柔らかく、フィルムカメラのような印象で色鮮やかだったり、セピアだったり、モノクロだったり、シーンによって絵の色を使い分けているようだ。何となくだが、鮮やかな色の時は、心から消えない美しい思い出だったり、恋愛や生活、仕事に前向きになっているような。セピアやモノクロの時は、男と女の「駆け引き」じゃ無いけど、会話の中での微妙な揺れや、慎重だったり、不安を現しているような。これは雰囲気で決めたのか気になる。
「んふ〜」と気怠く笑う大人の美女の余裕と、その美女のムートンコートの中で煙草をつけられる大人の男性の余裕さ…一生手に入れられないような美しい物を見せつけられました。
余談ですが、男の「いや、直行だ」には笑いました。(笑)
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