縫い裁つりんこ

ダークマンの縫い裁つりんこのレビュー・感想・評価

ダークマン(1990年製作の映画)
4.1
エッ、開始5分ぐらいですでに面白いぞこれ。
とばっちりで半殺しにされて顔の無いダークヒーローと化すリーアム・ニーソンの話。

恋人を守るために、そして自分の身体を奪った敵に99分しかもたない変装を駆使して復讐するシンプルなストーリー。でもどこかサム・ライミっぽいカルト臭がする演出がある上に、妙に凝った個性的なキャラクターも多くてキャラ物が好きな私にとってほんとどツボ。ゴミ処理場で人工皮膚実験してるシーンを観てるとスパイダーマン2でもゴミ処理場で核融合の実験してたなーって思うぐらい、米ヒーロー世界の裏科学者はみんなゴミ処理場でなにか実験してるんだろうか。そういうの秘密基地感が強くてロマンがあってすごい好き。冒頭の抗争シーンの義足マシンガンのマフィア、義足が取られてる間やることなくてぴょんぴょんしててかわいい。

とにかくリーアム・ニーソンがダークマンになるまでの過程が相当な悲劇で、途中までプロポーズした彼女と朝からイチャイチャするぐらい幸せ大爆発状態だったのに、元の顔がわからないぐらい焼けただれ、治療の副作用で自制心まで失いかける。絶望のあまり自虐ダンスを半泣きで踊り狂うシーンとか感情の爆発を泣きながら抑えようとするシーンとかもうかわいそう。そりゃ泣くわ。

リーアム・ニーソンは今でこそいぶし銀アクション決めてくる演技派のベテラン俳優が板についてるのに、若い頃はこういう映画も出演していたんだなあと思うと、本当に観てよかったと思う映画でした。