あぁ、しんどい。
社会の底辺でいっぱいいっぱいなロゼッタの生活をまるでドキュメンタリー映画のように追う。ヤングケアラーとも受け取れるまだあどけなさが残る表情からは、年齢に見合わない長い航海の過酷さを想像させる。自分の事しか考えられないロゼッタと、人を気遣うリケとの対比が見事かつ痛々しい。同じような事が全世界で起こっていながら頭を抱えることしかできないこのもどかしさ。
施しは受けないという矜持からか、最後に取ろうとした行動ですらうまくいかない。堰を切ったように泣くラストの表情をどう取るか。また問題を投げかけられた。
超絶ヘタなドラムで崩壊するシリアスな場面が印象的。