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ロゼッタのxoのレビュー・感想・評価

ロゼッタ(1999年製作の映画)
3.5
18歳の少女が、生きることに奔走する様子が描かれる。
ドキュメンタリー的な質感。まるで実際にこういう人が世界にいる息遣いが聞こえてくるよう。音楽もないなか、終始彼女に寄り添った視点で、日々の営みの所作が描かれる。クロエ・ジャオ作品であったり、ダンサー・イン・ザ・ダークも想起。

口数少なく感情表現の乏しい人物像もあり、話の語り口は淡々としているため、設定や描写の奇異さのわりには見やすいものになっている。
それも主演の彼女の存在感あってこそ。社会における被害者として生きようとはしない逞しさや生命力を感じられた。単純な善人・悪人で切り分けられない人物造形ながら、彼女を嫌いにならずにちゃんと見守れるのは、抜群のチャームと実在感があることが大きいと思う。

"ドライヤーを当てているシーン"の表情がたまらなく良い。
あるいは、周りをきょろきょろしながら車道を渡り林の中に入っていく様子が忘れられない。。
"ドラムのとこ"も良かった。。
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