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NARC ナークのとぽとぽのレビュー・感想・評価

NARC ナーク(2002年製作の映画)
4.0
これはドラッグのように夢中になってやめられない面白さがある!中毒性のような沼に見る見るうちに嵌(ハマ)っていく…

元麻薬潜入捜査官ジェイソン・パトリック × 殺人課警部補レイ・リオッタ = 切れ味抜群で男が惚れるような男を演じる2人が火花を飛び散らす!! 二人とも本当に格好良い。刑事殺しを追っていくうちに自ずと自身の状況に重なっていき、意外な真実へとたどり着く親しみのあるプロットで枚挙に暇がないバディもの。ファーストカットのスリリングな長回しから引き込まれる。そこで主人公が起こしてしまう悲劇、業を背負う。
レイ・リオッタ演じるキャラクターが魅力的。登場するなりいきなり靴下にビリヤードのボールを詰めて、連行されてきた容疑者をボコボコにするのだけど、そうしたキャラクターもしっかりと最後まで生きていた。作品全編を通してフラッシュのようにこまめにインサートされる回想が少しやり過ぎ感もあるけど、何気ないセリフ一つ取っても前フリが効いている。
クライマックスは己の正義と正義のぶつかり合い…!! ロケーションが廃屋と化した自動車工場みたいな場所ということもあって、そうしたレイヤードされた真実と終わり方にはタランティーノ『レザボア・ドッグス』を思い出すものがあった。あと、向こうではスコセッシの盟友ハーヴェイ・カイテルが業界先輩として製作していたのに対し、こちらではスコセッシ『グッドフェローズ』で有名なレイ・リオッタがそういう立ち位置も担っている気がして、勝手に重ねってしまった。

男臭くてエネルギッシュな作家主義/作風ジョー・カーナハン初期の傑作で代表作、そして製作も兼ねたレイ・リオッタの熱演によって以前から見たかった本作を遂に見た!悔やまれるのはその間にレイ・リオッタが亡くなったこと…。けど、これは流石に面白かった!R.I.P. ご冥福をお祈りします

勝手に関連作品『プライド&グローリー』『レザボア・ドッグス』
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