アノ

秋立ちぬのアノのレビュー・感想・評価

秋立ちぬ(1960年製作の映画)
4.3
これは子供映画としてかなりの傑作。
上京したばかりの大沢健三郎と一木双葉が橋の上ですれ違うシーンが素晴らしい。
これ以上ないボーイミーツガールとしての導入だ。

街のガキンチョたちに野球に誘われてついていくときの少しずつ遅れてしまう動作が、疎外感の駆り立て方として一級品すぎて胸が苦しくなる。
子供にもとことん容赦のない成瀬演出。
大沢と比べて一木は甘ったれたお嬢さんのように演出されていながら後半でいきなり本宅の異母姉兄に会わされるという、過酷な現実の突きつけ方!

あと、一木双葉が料亭で母親に叱られると切り替えしてそのまま家でむくれるシーンへと繋ぐのが大胆な省略で関心する。
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