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白い嵐のRのレビュー・感想・評価

白い嵐(1996年製作の映画)
3.9
太古の昔に一度だけ見た記憶あり。久々に見ると、どのシーンも全く、覚えておりませんでした笑 リドリースコット監督やってんねー知らんかった。冷戦真っ只中の時代に、海洋学校の航海訓練生達11人が、4人の熟練トレーナーと一緒に、帆船アルバトロス号に乗って航海訓練に出る。最初は弱っちかったり、反抗的だったり、無知だったりな彼らが、船上での訓練や勉強や友情を通して成長していく姿が描かれていく。前半は彼らのキャラクター描写を、お互いや船長との関係を通してしていくんやけど、もーとにかくニヤニヤが止まらない! この若者たちの青臭さといったらない! 何度も吹き出しそうになって、途中で一回止めて馬鹿笑いしてもーたやん。時代設定もあるんやろけど、現代若者とは大違い。典型的な青春ドラマのきらきらクッサい感じがたまりません。しかも皆さん、爽やかなトゥインク系白人男子たち。ひたすら半裸でわちゃわちゃし合ってて、そういうのが好きな人には必ず垂涎の一作となる、と言っても過言ではないでしょう。僕の知り合いでこの映画が人生で一番好き、と公言しているおっさんがいるのだがもしや…。特に、メインキャラふたりを演じるスコットウルフとライアンフィリップは、マニアにはたまらないレベルかと。まぁ、それは置いといて。序盤から海上は結構波が強く、映像がぐあんぐあん揺れます。酔いそうになる。劇場で観た人のなかには、登場人物たちといっしょに吐瀉した人もいるのでは。あと、前半にひとつ、イルカにまつわるイヤーなシーンあり。イルカ好きは見るのやめとき、卒倒するよ。とはいえ、何だかんだありつつまぁ皆さんピースそのもの。人間味にあふれ、優しく、あたたかい空気が漂っている。船長も、スパルタ的な設定らしいが、全然そんなことなくて、むしろとても優しい。いやー、いいねぇ、何だか、若者らしい葛藤や苦悩や喧嘩があり、うん、うん、みんなカワイイねえ、ええやんええやん、と思ってたら、タイトルの白い嵐シーンからテンションが打って変わって、予想以上のヘビーなクライマックス! うおおおお、そこまでいくか、ってなりました。それ以降の展開はネタバレになるのでやめときますが、終わったとき、えっ、これ130分もあった?と驚き。体感的には100分であります。まったく長さを感じさせない不思議。ところが、個人的には、本作は逆にもうちょっと長いほうが良かったんじゃないかと思った。というのは、この映画でいちばんのポイントとなる、訓練生同士の絆、そして船長との絆が、そんなにめちゃめちゃ熱くは伝わってこなかった気がするんす。共同作業やらコミュニケーションやらの描写がちょっと少な過ぎるのかなーと。伝わってくる部分ももちろんある、前述の若者二人とか、船長と奥さんとかはかなり伝わると。けど、肝心の部分が若干弱いので、最後のシーンがちょっと置いてけぼりになってしまった…。いつの間にそんな絆できてたのーー? ってなる。あと、アイツがそこであの鐘鳴らすのは、ちょっと前日の気分と変わりすぎでねーか?ってのもあり…。私としては、3時間くらいとって、彼らの心の通い具合をもっと描きこんでも良かったんじゃないかなーと思った。その間が気にならなくなるくらいの魅力が、このトウィンク達にあると思う。あと、クライマックスね。迫力すごいはすごいけど、ちょっと前にタイタニックを観てるので、否が応でも比べてしまって、ちょっと落ちるかなーって感じてしまった。ごめんなさい。ただ印象的なシーンもとても多いよ、性病シーンとか…。最後は、字幕が出はじめたときビックリしたし! えっ! あれ! これって実話なんや! ほんで、もひとつ、あ! 昔聴いてたスティングのアルバムの大好きだった曲Valparaiso、エンディングテーマやん! 映画の余韻と雰囲気に合わさって、さらに良い曲に聴こえた。いまも口ずさみながら感想書いてます。
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