ベビーパウダー山崎

オフィスキラーのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

オフィスキラー(1997年製作の映画)
3.0
シンディ・シャーマンの長編。フェミニズムとしての映像表現。中心の女性(キャロル・ケイン)はシャーマンそっくり、芸術家が映画を撮ると己の分身(思想だけではなく顔貌も)を主役に置きたがるのは何故なのかを考える。服装や美術の色味がトッド・ヘインズっぽいと思っていたらヘインズはシナリオで参加していた。死に対して徹底的に冷めた姿勢、90年代のお遊びでしかない映像処理も今ならクラシックとして許容範囲内。もちろん女性版『サイコ』なんだけど、幼きころに父から受けた性的虐待で狂ってしまった女性という背景もあって、そこまで悪い映画ではないと思った。