甘味

お引越しの甘味のレビュー・感想・評価

お引越し(1993年製作の映画)
4.6
はい、参りました。何なのよこのシュールさ。何なのよこの魅力。

両親が離婚を前提に別居することになり、葛藤しながらも成長していく11歳の少女レンコの物語…なんだけど、この一筋縄じゃいかない感じ。後半から押し寄せる怒濤のファンタジー展開。観始めた時には想像も付かないほど遥か遠くへ連れて行かれます。うー、最高。
台風クラブでガツンとやられ、本作で完全に相米ワールドの虜になってしまった。早く…早く他のも観たい…!

本作でデビューした主演の田畑智子。彼女の実家が京都の老舗高級料亭なんですが、そこへ相米監督がたまたま訪れた事により見出だされ、出演が決定したそうな。
舞台は京都と滋賀。母親役の桜田淳子、なかなか京都弁上手いです。中井貴一も頑張ってるけど、桜田淳子のが上。田畑智子の生の京都弁は近所の子みたいでほんま可愛いし、とにかく真っ直ぐで初々しくて頑張れーって終始見守ってしまう魅力がある。(因みにこのパイナップル頭はジャケ用で本編は普通の可愛いおかっぱ頭です、念の為)

何より驚いたのが、レンコと母親の旅行先がうちの自宅周辺だったこと。琵琶湖、近所のホテル、家の真横を流れる川、そして近所の神社の夏祭りと花火。
因みに御座船に大神輿を乗せて船団が4キロ先の御旅所まで川を下る儀式を執り行うお祭りなんですが、映画で取り扱われてただなんて全然知らなかったのでびっくり。
普段生活してる場所が本作で異様なまでのファンタジックさを放っていて、あたかも自分がワンダーランドの住人になったかのような物凄く不思議な気持ちになり、とても感動しました。

ラスト~エンドロールも最高で、あのシークエンスはめちゃくちゃ素晴らしい。ずっと心に残る。
あーまだまだ冷めそうにないわー、邦画熱。来年に持ち越しやな。とりあえず相米慎二祭りしたい。次は『東京上空いらっしゃいませ』観よかな。


さて今年も残すところあと数時間。Filmarksの皆さん、今年もお世話になりました。来年もゆるゆる登場すると思いますが、変わらずどうぞ宜しくお願いします。どうか良いお年をお迎え下さいませ。
来年も素敵な映画にたくさん出会えますように…