Ryu

お引越しのRyuのレビュー・感想・評価

お引越し(1993年製作の映画)
3.7
田畑智子のデビュー作であり、桜田淳子の最後の出演作にもなる。

離婚前提で別居に入り、父 ケンイチが家を出たことにより、母 ナズナと二人暮らしがはじまった小学六年生の漆場レンコ。

田畑智子って子役からだったんですね。明るく元気なキャラクターでとても可愛らしかったです。そんな素直な子供だからこそ、キツい内容でした。
舞台が京都で関西弁が飛び交う、基本的にはコミカルな作風なんですけど、内容はかなりしんどい感じです。レンコの数々のセリフがなんとも辛い。娘の事は大切に思ってるかもしれないけど、至らない部分が多い両親もなんかリアルな感じがします。
中盤までは、シビアな内容と明るめの作風が上手くマッチしていて、自然に見入ってた感じはありましたが、終盤の幻想的な展開はちょっとクセ強かったんじゃないか と思いました。一家団欒だった過去との決別、レンコの心の葛藤や成長を描いているのでしょう。
長回しのシーンもけっこう多くて、没入感はありました。
京都出演の田畑智子やまだ髪がある鶴瓶の関西弁はもちろんのこと、関西出身じゃない中井貴一と桜田淳子の関西弁の中々 様になっていたのではないでしょうか。関西人の自分はやはり関西弁には安心感というか、なんか心地良さを感じます。
離婚や別居、夫婦の問題を子供目線から描いた今作。同じような問題を抱えて人からしたら、心にグサッとくるものがあるのではないでしょうか。ジャケ写が全てを語っているように思います。
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