なべ

ミスター・ノーボディのなべのレビュー・感想・評価

ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)
3.3
観るたびに印象が変わる映画がある。年齢やその時の体調、あるいは時代のムード、そういう要素に左右される作品。ミスター・ノーボディもそう。熱狂的に好きな時もあるのに、あれ、こんなにつまらなかったかなと思ったりする。今回は後者。
まるでレオーネが撮ったかのようなシーンがある一方で、トニーノ・ヴァレリの大作でも小品でもない中途半端な感じが、ワクワク感に水を差す。おふざけもパッとしない。
これを言っちゃあおしまいなのだが、ノーボディのそもそもの目的が気持ち悪い。この道化の夢を男のロマンと捉えることができれば肯定的に観ることができるのだが、今回は英雄オタクの妄想エゴみたく感じてしまってハマれなかった。いや、天使的存在なのはわかるんだけどね。ノれなかった自分が悔しい。
ただ、ウエスタンの英雄に花道をつくるお節介でやさしいストーリーが、現実に「最後のマカロニウエスタン」として、ブームの最後を飾っているのは、ちょっとじんわりくる。
次に観るときはハマりたい。
なべ

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