玻璃

独裁者の玻璃のレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
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✍️授業にて鑑賞


自分の中で戦争映画といえば重々しくて陰鬱なイメージがあったから、戦争やユダヤ人迫害という非常にデリケートなテーマを扱っているのにコメディチックな表現がふんだんに使われていることに驚いた。
最初は戦争をそんなふうに描いてしまって良いのかという疑問も浮かんだが、そのコメディチックな表現によって独裁者ヒンケルの愚かしさが際立っていて、皮肉が効いている。

しかしただ観客を笑わせるコメディ映画としては終わらせず、ラストに平和を訴える真面目な演説シーンが挟まれていることで戦争のリアルな面も突きつけられる。最後に現実に引き戻されたような感覚になった。

戦争映画は辛くなるから見るのを避けてきたけれど、この作品はいい塩梅でコメディが織り交ぜられているから気負わずに見ることが出来るし、それでいて平和についてもしっかり考えさせられる。
チャップリンの作品は初めて見たが、彼の凄さを感じる映画だった。
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