atsushi

独裁者のatsushiのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
3.8
2020/10/11 1回目
【2020年213本目】
映画が現実に影響を及ぼした数少ない例。
二つの世界大戦の間に作られたこの作品。
それ故に、純粋な作品としての評価が難しいところでもある。ともあれ、現実の悲劇を喜劇に変えてしまうのが彼の喜劇王たる所以。
ヒトラーは映画をプロパガンダに使い、チャップリンはその逆を体現した。
ヒトラーが生まれながらに手にした"演説"という武器を殺したのはチャップリンの"映画内演説"。
ヒトラーの得意とする印象操作を逆手にとって見事に大勝利したチャップリン。

台詞無しで表現してしまう彼の表現者としての技術と、映画人としての志の高さに、時代を超えたエンタメの底力をひしひしと感じる次第です。
atsushi

atsushi