1970年につくられた小林俊一監督作品。競馬で大穴を当てた寅さんったらおいちゃんおばちゃんをハワイにつれていくことにするのだけれど……。
西村賢太のドキュメンタリーを見ました。あのクソどうしようもない小説をして読む人に勇気をあたえているらしい。「俺こんなにダメな奴だけれど生きていても良いんだ!」という効能があるんでしょうかね。
そんなことを思いつつこの4作目を見ていると、ふと西村賢太と寅さんがダブって見えてきましたよ。常に一生懸命なんだけれど、ぜんぶ空回りなんだよな。そしてそれが滑稽なんだけれど、でもなんか愛しくなってくるんだよな。さらには自らをそこに投影しちゃうんだよな。
寅さんを鏡写しに見てゲラゲラ笑うのって大切じゃね? だって今やそういう逃げ道がないでしょう? 笑うよりも憎むばっかりでしょう? なんか目に見えないプレッシャーが充満している。幼稚園児の姪孫を見ていてもそう思うわ。辛いな。優等生ばかりの社会なんて気持ち悪い……。