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ミスター・ベースボールのTのレビュー・感想・評価

ミスター・ベースボール(1992年製作の映画)
2.5
92年ナゴヤ観光映画

話は強引です。メジャーリーグ元スター選手が中日ドラゴンズに来てチームに溶け込んで活躍する話。こんなど定場のストーリー、しっかり丁寧に作れば一定の面白さは補償されるはずなのに、端折っちゃうので全然おもしろくないです。

高倉健との師弟コンビもおざなりで、高倉健の娘役高梨亜矢との関係も強引。ほとんど感情移入できずにクライマックスを迎えてしまうので、何の感慨もありません。

それでもこの映画に価値を見出せるのは、92年当時の名古屋市をしっかり記録しているところです。ナゴヤ球場はもちろん、名古屋空港、名鉄の電車内でタバコを吸って怒られたり、万松寺でのデートで当時の大須の街もしっかり記録されています。

試合のシーンも今は亡き大洋ホエールズ戦が懐かしいし、スコアボードの手回し式も◎。地元愛知の中日ファンとしてはCBCがガッツリ協力しているので、今も続く中日応援番組『サンデードラゴンズ』が映画内に登場するのも見どころ。司会はもちろん久野誠アナ(今は若狭敬一アナ)!試合のシーンのエキストラはこの『サンデードラゴンズ』で募集して集められたとも聞きます。観客席が丁寧に撮影されていて、当時の中日ファンの様子がリアルなのもいいですね!

映画としては駄作と断言しますが、野球ファン、往年の中日ドラゴンズファン、当時の名古屋の記録のための映画として、これからも機能する大事な映画です。

おすすめはしません。
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