皿鉢小鉢てんりしんり

昭和残侠伝 血染の唐獅子の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

昭和残侠伝 血染の唐獅子(1967年製作の映画)
3.7
いつも通りの東映任侠映画、完成されたフォーマットなので当然面白い。
健さんが中々出てこないのが、待望感を煽る設計。藤純子はめちゃくちゃ可愛らしい。緋牡丹のお竜さんとは真逆のキャラクターで、この人はなんでもできるんですね……
吃音の津川雅彦がまた良いのです。死に顔ぐらいは綺麗にしときたい、っつって髭剃った顔を藤純子に見せに行く。泣きながら頬を叩かれ、殴り込みに向かう。
「唐獅子牡丹」がかかって否応なしにアガる、殴り込みに向かう任侠映画クリシェ。ここでヨタヨタ高倉健と池部良についていく津川雅彦、それを引きの絵で捉えた美しさ。追いついた津川を、黙って笑顔で迎え入れる高倉健というのがたまらない。殴り込んで、2本の刀を出す津川雅彦の「三社祭りのバカ騒ぎだっ!」ってセリフがほんと最高。あんだけ吃ってたのに、ここだけ全く吃らないのが泣けるでしょ……