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ナサリンのsacchinnのレビュー・感想・評価

ナサリン(1958年製作の映画)
4.5
主人公の神父、神の教えに忠実に清く貧しく生きているのだが、どこかに自分は敬虔に神の教えに従って生きている善人で、他の者とは違うんだという意識があり、そういう自意識がある限り、本質的には他の俗人たちと何も変わらないので、やる事なす事うまくいかずうらぶれているところへ、思わぬ人からそれを喝破され、ついに懐疑の袋小路に陥ってしまう。
しかし、教会の上層部には彼ほどよきキリスト者たらんという熱心さもないし、民衆は無知と迷信の暗闇の中にいるしで、誰も彼の先達となるような人はおらず、お婆さんに施されたパイナップルを片手に茫然自失する彼に救いはあるのだろうか。
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